誰でも気軽に集える、明るく、カジュアルな雰囲気の教会です。
2017年5月9日(火)
【通読】
マタイの福音書 4:12-17
12ヨハネが捕らえられたと聞いてイエスは、ガリラヤへ立ちのかれた。13そしてナザレを去って、カペナウムに来て住まわれた。ゼブルンとナフタリとの境にある、湖のほとりの町である。14これは、預言者イザヤを通して言われた事が、成就するためであった。すなわち、15「ゼブルンの地とナフタリの地、湖に向かう道、ヨルダンの向こう岸、異邦人のガリラヤ。16暗やみの中にすわっていた民は偉大な光を見、死の地と死の陰にすわっていた人々に、光が上った。」17この時から、イエスは宣教を開始して、言われた。「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。」
【ポイント】
①イエス様の宣教開始
マタイは、イエス様がガリラヤ地方のカペナウムで宣教を開始された理由は、バプテスマのヨハネの逮捕を受け、危険を恐れてエルサレム周辺から退いたという理由だけでなく、実はこの避難によって預言者イザヤの預言が成就したと説明しています。当時、ユダヤの人々は「メシアが来られ、ガリラヤで宣教を始められた。」と聞いても、「なぜガリラヤ?」と疑問を持ったのだと思われます。そこで、マタイは、そのような疑問に応えるために、イザヤ書を引用したのです。
②イエス様とバプテスマのヨハネの関連性
マタイが記しているイエス様の宣教開始後の第一声は「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。」と言うものです。しかし、このメッセージには聞き覚えがありますね。そうです、3章2節でバプテスマのヨハネも、「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。」と全く同じメッセージを語っています。
バプテスマのヨハネとイエス様が全く同じことばを口にしているということに、大変大きな意味があるのです。というのも、バプテスマのヨハネはすべてのユダヤ人に知られた預言者でした(マタイ3:5)。一方イエス様は、全くの無名の存在でした。この時点では、マタイの1章から3章まで記されていることがらは、誰も知らないのです。ですから、イエス様がバプテスマのヨハネと全く同じ「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。」と宣言されたことには、その内容とは別に大きなメッセージが含まれていたのです。それは、イエス様が、逮捕されてしまったバプテスマのヨハネの教えを引き継ぐ者、同じ教えをする者であるというメッセージです。もちろん、イエス様がバプテスマのヨハネよりも遥かに偉大な方であることは、この後に証明されていくわけですが、宣教開始時点では、イエス様がバプテスマのヨハネと深い関連性、関係性を持っていたことを知らせることは、大変意味のあることだったのです。
ライフチャーチ
大谷信道