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2022年3月24日(木)
マタイの福音書 22章15-22節 15そのころ、パリサイ人たちは出て来て、どのようにイエスをことばのわなにかけようかと相談した。16彼らはその弟子たちを、ヘロデ党の者たちといっしょにイエスのもとにやって、こう言わせた。「先生。私たちは、あなたが真実な方で、真理に基づいて神の道を教え、だれをもはばからない方だと存じています。あなたは、人の顔色を見られないからです。17それで、どう思われるのか言ってください。税金をカイザルに納めることは、律法にかなっていることでしょうか。かなっていないことでしょうか。」18イエスは彼らの悪意を知って言われた。「偽善者たち。なぜ、わたしをためすのか。19納め金にするお金をわたしに見せなさい。」そこで彼らは、デナリを一枚イエスのもとに持って来た。20そこで彼らに言われた。「これは、だれの肖像ですか。だれの銘ですか。」21彼らは、「カイザルのです」と言った。そこで、イエスは言われた。「それなら、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」22彼らは、これを聞いて驚嘆し、イエスを残して立ち去った。
【ポイント】 ①「地上に生きる」ということ 今日の個所では、パリサイ人たちがイエス様から問題発言を引き出し、陥れようとする場面が記されています。パリサイ人たちの悪意は明らかなので、イエス様がこのような茶番に付き合う必要はないと思われますが、イエス様は丁寧に対応されていることが分かります。そして、そのイエス様のことばから、私たちクリスチャンが地上の権威に対してどのように対応すべきなのかを知ることができる重要な箇所です。
多くのユダヤ人は、いつかメシアが現れ自分たちをローマ帝国の支配から解放してくれると信じていました。しかし、そのような計画がローマ帝国側に知れれば、反逆者として捕らえられ、罰せられることになる可能性が高いことも理解していました。そこで、パリサイ人たちはイエス様に対する罠を思いついたわけです。つまり、イエス様がローマ帝国の支配を肯定すれば、ユダヤ人からは裏切者のレッテルを貼ることができるし、イエス様からローマ帝国に対する反逆とれる発言を引き出せば、ローマ帝国の当局者がそれを黙っていないと考えたわけです。つまり、「税金をカイザルに納めるべきか」という質問に「はい」と答えても「いいえ」と答えても、イエス様に何らかの不利益を与えることが可能だったわけです。
イエス様の答えは「カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」というものでした。これは、当時のユダヤ人が行っている事でした。これは、真理などではなく、パリサイ人たちの悪意ある攻撃を退けるための知恵であったと考えることもできます。しかし、イエス様がローマ帝国に対する反逆を容認されなかったことも知ることができるわけです。イエス様が反乱や武力によってローマ帝国の支配を打破する意図はなかったことは、この個所だけでなく、新約聖書全体から明らかなのです。これは、私たちクリスチャンにとって極めて重要なメッセージではないでしょうか。
イエス様ははっきりと「剣をもとに納めなさい。剣を取る者はみな剣で滅びます。」と宣言されました(マタイ26:52)。誰が悪で、誰が正義なのかは関係ないのです。武力を用いれば、自分や自分の愛する人たちが命を落としたり、傷ついたりするのです。
ライフチャーチ 大谷信道