デイリーディボーション 5月16日(火)

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デイリーディボーション 5月16日(火)

2023年5月16日(火)
【今日のみことば】 ローマ人への手紙 12章17-19 17だれに対してでも、悪に悪を報いることをせず、すべての人が良いと思うことを図りなさい。18あなたがたは、自分に関する限り、すべての人と平和を保ちなさい。19愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書いてあるからです。「復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる。」
①キリストが求める教会の姿を見る その3 今日の個所は、パウロがローマ帝国の支配の時代に生きていた人物であることを考えると、驚くべき内容です。つまり、ローマ帝国による理不尽な迫害がまかり通っている時代においては、こちら側には全く非がないのに、帝国側から一方的に罪に問われたり、迫害されたりするわけです。法制度や警察制度(犯罪の捜査など)も現代とは全く違うわけで、何らかの犯罪の被害に遭ったとしても、泣き寝入りせざるを得ないケースも多々あったことでしょう。そのような場合においては、悪を懲らしめたいと思うときには、個人的に復讐したくなるものですが、パウロはそのような行為を禁じているのです。
一方的に被害に遭った者が、その悪に対して報復することは正義であり、被害に遭った者の当然の権利であるという感覚は現代でも変わることがありません。もちろん、先進国においては個人に関しては個人的な報復は許されず、法に訴えるべきなわけですが、ロシアとウクライナの戦争を見ても、国と国との戦争はそのようになっていません。このような衝突のために国際法が存在しているわけですが、現実的には機能していないわけです。
そこで分かることは、よく言われていることですが、誰かが報復を行えば、報復の連鎖が起き、争いがさらに大きなものへと発展していくという事実です。そして、そこで明らかなことは、神様のみことばである、今日のパウロのメッセージが、多くのクリスチャンに無視されているということです。または、国の為政者たちが巧みにキリスト教信仰をナショナリズムを煽るための道具として利用し、戦争が神様の御心であるかのように扇動するケースも多く見られます。「自分の国が神様によって建てられた」とか、「神様は自分の国を祝福してくださっている」などと信じこまされているとしたら、それは極めて忌々しき状況です。そのような国が他国から攻撃や侵略を受けたとしたら、報復をするのが神様の御心であると考えてしまい、報復が正当化されてしまうからです。
誰かから危害を加えられたときに、その出来事を神様に委ねるのは大変なことです。多くの人が同じ目に遭わせてやりたいと思うものです。しかし、パウロはそれがどのような結果を招くのかをよく理解していたのでしょう。その相手がローマ帝国であったとしたら、報復にどのような正当性があったとしても、ローマ帝国からのさらなる迫害が起こり、教会が滅ぼされてしまうことは火を見るよりも明らかだったのでしょう。
個人的な出来事においても同じですね。復讐や報復が良い実を結んだり、依然より良い状況が生まれることは少ないのです。
ライフチャーチ 大谷信道


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