デイリーディボーション 5月26日(金)

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デイリーディボーション 5月26日(金)

2023年5月26日(金)
【今日のみことば】 ローマ人への手紙 13章1-2節 1人はみな、上に立つ権威に従うべきです。神によらない権威はなく、存在している権威はすべて、神によって立てられたものです。2したがって、権威に逆らっている人は、神の定めにそむいているのです。そむいた人は自分の身にさばきを招きます。
①クリスチャンと国家の関係について考える 今日の個所の理解については様々な議論があるようです。パウロがクリスチャンの価値観とは全く別の価値観を持っているローマ帝国の支配や権威に服従しなさいと命令していることに違和感を覚える人も少なくないことでしょう。反対に、この個所を表面的に受け入れ、自分たちの国に当てはめ、自分の国の為政者は神様からの権威を持った存在であると信じてしまう人もいるかもしれません。
いつものように文脈で考えてみましょう。13章という数字はパウロが付けたものではありませんので、13章から全く新しい話題に移ったと考える必要はありません。つまり、直前の節と結びつけながら考えることが適切であるということです。12章の最後は、「18あなたがたは、自分に関する限り、すべての人と平和を保ちなさい。19愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書いてあるからです。「復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる。」20もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃える炭火を積むことになるのです。21悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい。」と記されていました。つまり、パウロはイエス・キリストを信じている者に危害を加える者、迫害する者を頭に思い浮かべながら話をしているわけです。当時のクリスチャンに迫害や危害を加える可能性がある存在を考えてみましょう。まず第一に、パウロ自身がそうであったわけですが、「ユダヤ人」です。その次に考えられるのは「ローマ帝国」です。実際に、イエス様を十字架にかけるためにユダヤ人たちは「12もしこの人を釈放するなら、あなたはカイザルの味方ではありません。自分を王だとする者はすべて、カイザルにそむくのです。」(ヨハネ19:12)と主張しました。ローマ帝国がクリスチャンにとっての「敵」となる可能性が最も高い存在であったという当時の状況を無視して今日の個所を理解することはできないのです。
ですから、「21悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい。」という12章の最後に記されているパウロのメッセージは、ローマ帝国にも当てはめられるわけです。そして、その具体的な適用は、ローマ帝国に対しても、善良な市民として、善を行うことによって打ち勝つようにと教えていると考えられるわけです。
また、パウロの手紙は教会で朗読されたわけですが、そこには様々な人がいたと考えられます。その中には、パウロが反乱を煽っていたというような嘘の告発をするような人がいた可能性もあります。ですから、今日の個所のような文言が手紙に書かれていれば、パウロが人々にローマ帝国に対する反乱を扇動するどころか、その権威に従うように教えていたという証拠にもなるわけです。これは、あくまでも私の推測にすぎませんが、この推測には「21悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい。」というパウロのことばと矛盾することはないのです。
パウロが教える希望は、クリスチャンがローマ帝国に反乱を起こし、キリスト教の価値観に基づいた国家が誕生することではありません。ヘブル人への手紙の著者も次のように教えています。「13これらの人々はみな、信仰の人々として死にました。約束のものを手に入れることはありませんでしたが、はるかにそれを見て喜び迎え、地上では旅人であり寄留者であることを告白していたのです。」(ヘブル11:13)パウロは地上の国家がどのようなものであるとしても、私たちクリスチャンは善良な市民として生活することによって不必要な迫害を避け、人々からの尊敬を受け、一人でも多くの人に福音を伝えながら、イエス様の再臨を待ち望むことが重要だと考えていたのでしょう。
ライフチャーチ 大谷信道


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