誰でも気軽に集える、明るく、カジュアルな雰囲気の教会です。
2022年6月10日(土)
マタイの福音書 26章63-68節 63しかし、イエスは黙っておられた。それで、大祭司はイエスに言った。「私は、生ける神によって、あなたに命じます。あなたは神の子キリストなのか、どうか。その答えを言いなさい。」64イエスは彼に言われた。「あなたの言うとおりです。なお、あなたがたに言っておきますが、今からのち、人の子が、力ある方の右の座に着き、天の雲に乗って来るのを、あなたがたは見ることになります。」65すると、大祭司は、自分の衣を引き裂いて言った。「神への冒涜だ。これでもまだ、証人が必要でしょうか。あなたがたは、今、神をけがすことばを聞いたのです。66どう考えますか。」彼らは答えて、「彼は死刑に当たる」と言った。67そうして、彼らはイエスの顔につばきをかけ、こぶしでなぐりつけ、また、他の者たちは、イエスを平手で打って、68こう言った。「当ててみろ。キリスト。あなたを打ったのはだれか。」
【ポイント】 ①「集団ヒステリー」に注意! その2 戦争の原因の一つが「集団ヒステリー」であると考える人がいることを昨日お話しました。今日の個所を見ても、祭司たちがイエス様を悪者だと決めつけるだけでなく、その悪者に制裁を加えるべきであるという間違った正義感によって、イエス様に対する憎悪が増し加わり、ある種のヒステリー状態に陥っていることが分かります。
現在の私たちはどうでしょうか。ロシアとウクライナの情勢については繰り返し触れていますが、依然として日本ではウクライナが善人で、ロシアが悪者だというレッテルを貼りつけ、悪者を制裁するべきであるという意見(報道)が大多数です。悪いのはプーチン大統領であり、ロシア国民全体が悪いわけではないと考える人も多いかと思います。ろころが、ウクライナへの支援を表明し実践している人について多く聞きますが、この戦争で愛する子どもや配偶者を無くしたロシア兵の家族への慰問や援助、経済制裁によって職を職を失い困窮している一般の人々についての支援の報道もほとんど見ません。このような異常な状態を「集団ヒステリー」と言わずに何と言えばよいのでしょうか。私たちが冷静に事態を理解していれば、ウクライナだけでなく、ロシアの中にも苦しんでいるでいる人々が大勢いることが理解できるはずです。同じように、ロシア軍だけでなく、ウクライナ軍も非人道的な行為によって人の命を奪っているケースが少なからずあることも想像できるはずなのです。ロシアが悪者、ウクライナが善人という一部の人が作り上げたレッテルを無批判で(検証することなく)受け入れてしまうこと、さらに、「こっちが悪者でこっちが善人など」という善悪の単純な二極化に踊らされるようなことはあってはならないのです。
特に、イエス様の十字架の出来事を知っているクリスチャンは、善悪の単純な二極化や、それに伴う勧善懲悪の風潮がいかに危険なものであるのかを知らなければなりません。イエス様もこの勧善懲悪と集団ヒステリーによって十字架にかけられたのです。イエス様は人類の罪の贖いのために死ななければならなかったわけですし、イエス様は自らの意志で十字架に進んでいかれたことも聖書から明らかです。しかし、ここで起きている異常事態は、いつでも起きる可能性があることを私たちは知らなくてはなりません。
ライフチャーチ 大谷信道