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2023年6月9日(金)
【今日のみことば】 ローマ人への手紙 14章7-10節 7私たちの中でだれひとりとして、自分のために生きている者はなく、また自分のために死ぬ者もありません。8もし生きるなら、主のために生き、もし死ぬなら、主のために死ぬのです。ですから、生きるにしても、死ぬにしても、私たちは主のものです。9キリストは、死んだ人にとっても、生きている人にとっても、その主となるために、死んで、また生きられたのです。10それなのに、なぜ、あなたは自分の兄弟をさばくのですか。また、自分の兄弟を侮るのですか。私たちはみな、神のさばきの座に立つようになるのです。
①信仰の本質について再度確認する。 聖書が教える信仰の本質は「愛」です。神様が私たちを愛し、その愛を受け取った私たちが神様を愛するようになること、つまり、神様と私たちが愛によって結びあわされている状態が「信仰」の具体的な姿なのです。
しかし、この世での信仰の一般的な理解はこうではありません。多くの人にとっての信仰とは、自分に利益をもたらしてくれる神的な存在を信じることです。しかし、もっと正確に言えば、人々が信じているのは「ご利益」であって、良いご利益をもらえるのであれば、それを与える存在が何者であるのかはあまり気にしないのです。確かに、その「ご利益」はお金などの物質的なものだけではなく、精神的な安らぎや癒し、自分以外の人々の幸せや健康も含まれていることは事実です。しかし、求めている「ご利益」が、いかに純粋に見えたとしても、神的な存在を自分の願いのために利用している事に変わりはないのです。結局、多くの人にとっての信仰とは「自分のため」のものなのです。
確かに、ほとんどのクリスチャンの方の信仰の入り口は、「自分のため」に聖書の神様、イエス・キリストを信じるというものだったのではないかと思います。ですから、信仰のきっかけは「自分のため」であったとしても何の問題もなく、むしろ、それが自然なことなのです。ところが、最初は自分の抱える悩みや問題の解決のために神様を頼った私たちは、聖書のみことばを通して、イエス様によって明らかにされた神様の愛に触れ、神様を愛する者へと変えられ行くのです。これは、夫婦の関係にも似ています。例えば、恋愛のきっかけは、相手が自分にとって魅力的な存在であると感じることでしょう。つまり、相手が自分の欲求を満たし、自分に幸せをもたらしてくれる存在だと認識するわけです。しかし、その関係が深められていくときに、相手が自分に何かを与えてくれることだけでなく、自分が相手に何かを与えることに幸せや喜びを感じたり、相手の幸せのためであればどのような犠牲を払ってもよと思えるような関係性へと発展していくのです。神様と私たちの関係性の醸成もこれに似ているのです。神様との愛の関係が深められていくと、パウロが今日の個所で語っているように「8もし生きるなら、主のために生き、もし死ぬなら、主のために死ぬのです。ですから、生きるにしても、死ぬにしても、私たちは主のものです。」という関係になっていくのです。このような関係に導かれるのは、より多くのご利益をもらうためではなく、単純に、神様を愛しているからなのです。誰かに「あなたはなぜそこまで妻/夫に自己犠牲を払うことができるのですか?」と聞いたとしたら、その人は「愛しているからだよ。それ以外に理由なんてないよ。」と答えることでしょう。これが「愛」であり、愛する相手が神様の場合は、その愛は「信仰」と呼ばれるのです。
さらに、不完全で罪深い自分を愛してくださる神様の愛を受け取るときに、私たちは、神様との関係だけでなく、自分の周りの人々との関係にも変化が起きます。それは、他者をさばくことを止めるようになることです。しかし、クリスチャンになったら自動的にそれができるようになるわけではありません。私たちはクリスチャンになった後に聖書のみことばとイエス様の御霊の導きにより、自分の罪の深刻さについて、クリスチャンになる前よりも深く知るようになります。そして、自分の罪についてより深く知るようになると、例えば、自分の信仰が他の兄弟よりも優れているなどと思うことがなくなり、他者の信仰の未熟さをさばくなどということが、いかに傲慢なことであるのかを悟るようになるわけです。残念ながら、ローマの教会でも、その後の教会の中でも信徒の間での「さばき合い」が起きています。それは、私たちが相手の問題や未熟さをさばきたくなるという罪の性質を有していること、常にその誘惑にさらされていることを意味しているのです。
まずは、自分の心の中にさばき心が潜んでいることに気づき、それを認めるところから始めてみましょう。だれかをさばきたくなる時に、自分の罪深さと、その罪のために十字架で苦しみ、死んでくださったイエス様の姿を思い出しましょう。
ライフチャーチ 大谷信道