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2020年7月27日(月)
へブル人への手紙6:1-3 1ですから、私たちは、キリストについての初歩の教えをあとにして、成熟を目ざして進もうではありませんか。死んだ行ないからの回心、神に対する信仰、2きよめの洗いについての教え、手を置く儀式、死者の復活、とこしえのさばきなど基礎的なことを再びやり直したりしないようにしましょう。3神がお許しになるならば、私たちはそうすべきです。
【ポイント】 ①「キリストについての初歩の教え」とは? ヘブル人への手紙の執筆年代には諸説あるようです。しかし、手紙の中で幕屋(後の神殿)について詳しく書かれているのに、AD70年のエルサレム神殿の破壊について一切触れられていないことなどから、執筆年代は60年代後半であると考える研究者もいるようです。
と言うことは、この時代には私たちが手にしているような4福音書はまとめられていなかったことになります。つまり、この時代には、私たちがしているように、福音書を読むことによって「キリストについての初歩の教え」を学ぶことができなかったことになります。別の見方をすれば、私たちは「キリストについての初歩の教え」を学びたければ、福音書をはじめ、新約聖書を読めばよいことになります。
ですので、今日の個所に関して、私たちが求められていることは「福音書をしっかりと学ぶこと」であると理解して構わないと思います(もちろん、福音書だけでなく新約聖書全体の学びが大切なわけです)。そして、キリストについての初歩の教えをしっかりと学べば、間違った福音に騙されることがなくなりますし、自分が間違った福音を人に教えてしまうことも防ぐことができるのです。
ヘブル書の著者の心配は、1)教会の中でキリストについての間違った教えをしている者がいること、2)キリストのついての間違った教えに影響を受けてしまう人がいること、だと思われます。1、2章で触れられていた「天使」についての間違った教えは、最初はイエス・キリストの福音をきちんと聞いておきながら、その教えから離れ、自分勝手な解釈を広めようとする者が教会の中にいたこと、そして、今日の個所で、キリストの福音をきちんと学んでいないために、そのような間違った教えに騙されてしまう信徒がいたことが分かるのです。
新型コロナウイルスについても、テレビ番組などで、例えば、経済の専門家が、感染症の研究者のような発言をしたりする場面をよく見かけます。医学博士であっても、病院の実情を生で見ていない研究者が、病院の現状を話していたりします。もちろん、意図的に間違った情報を流そうとしている人は少ないのでしょうが、聞いた情報が正しいものであるのか否かを考えたり、議論したりしながら、何が本当なのかを見分けていくことが、一般市民に求められていることを忘れてはなりません。
キリスト教においては、新型コロナウイルスと違い、私たちは既に正しい情報(聖書)を手にしているのです。つまり、何が正しく、何が間違っているのかを聖書に照らして検証することができるのです。もちろん、そこで理解や解釈の違いが生まれるものです。しかし、そこで議論を重ねながら、最大公約数的な結論(キリストの福音についての最も重要な部分)を導き出すことは可能なのです。それこそが「キリストについての初歩の教え」ということもできるでしょう。
研究者によってまとめられた「キリストのついての初歩の教え」に頼ることもできるのですが、自分で少しずつ学んで行くことのほうがずっと楽しいと思いませんか? なぜなら、今ここで話しているのは、私たちが一番愛する方のことだからです。私たちが、真剣に結婚を考えている人がいたとします。その人のことをより深く知りたいと思うのが自然なことですね。そして、そのプロセスにドキドキしたり、喜びを感じたりするのです。面倒だから、その人の素晴らしい点についてまとめてくれるように他の人に頼む人はいないですよね。もし、そのような友人がいたら「おまえ、本当に〇〇さんのこと愛しているの?」と聞きたくなるのではないでしょうか。
私たちが、本当にイエス様を愛しているのであれば、人から言われなくても、イエス様のことをより深く知りたくなるはずですね。
ライフチャーチ 大谷信道