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2021年7月31日(土)
マタイの福音書 7:12 12それで、何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。これが律法であり預言者です。
【ポイント】 ①「黄金律 / ゴールデンルール」? 今日の個所は、伝統的に「イエス様の黄金律 / ゴールデンルール」と呼ばれている箇所ですが、全体の文脈を見てみると、決して今日の部分がイエス様の教えの最重要部分ではないことが明らかです。というのも、これまでの個所、そしてこの先の個所の中心は「求めること」だからです。そして、直前の個所でイエス様は、神様は求める者に惜しみなく与えてくださる方であることも明らかにされました。今日の個所は、「ちなみに、あなたたちも天の父の態度に倣うことが重要ですよ」と、付け足しのように触れられ感じなのではないかと思います。
だからと言って、その内容が重要ではないということでは決してありません。12節の最後の「これが律法であり預言者です」という箇所は22章に再度出てきますね。ライフチャーチでは数えきれないほど引用している箇所ですが、重要な箇所なのできちんと確認しておきましょう。
マタイの福音書22章37-40節 37そこで、イエスは彼に言われた。「『心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』38これがたいせつな第一の戒めです。39『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ』という第二の戒めも、それと同じようにたいせつです。40律法全体と預言者とが、この二つの戒めにかかっているのです。」
今日の「何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。」という命令は、マタイ22章37-40節の具体的な「適用」の1つなのです。もう少し深読みすると、イエス様は布石として早い段階から、「律法」「預言者」についての真の理解について人々(特にユダヤ人)に考えさせようとされていたのではないかと思います。というのも、多くのユダヤ人にとっては今日のイエス様の教えが「律法」と「預言者」のすべてであるとは決して思えなかったはずだからです。
いずれにしても、私たちが今日覚えておくことは、神様は天の父として、私たちがして欲しいと思うことを、私たちにしてくださる方であるということです。そして、それは「父と子」の関係性の中で行われることであって、子がどんなに欲しがったとしても、父から見て「良いもの」と思えないものは与えられないのです。
私たちが、神様の愛、神様との交わり、神様の赦し、神様の救いなどとを求めれば、それは天の父にとって「良いもの」なので必ず与えてくださるのです。ここでは、「黄金律 / ゴールデンルールを大切にしよう!」などという、倫理的な教えに注目するよりも、天の父の愛、あわれみ、恵みに満ちた姿を覚えることを大切にしましょう。そして、「黄金律 / ゴールデンルール」の本質については、22章でじっくりと学ぶこととしましょう。
ライフチャーチ 大谷 信道