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2014年10月25日(土)
2コリント 9:12-15
12なぜなら、この奉仕のわざは、聖徒たちの必要を十分に満たすばかりでなく、神への多くの感謝を通して、満ちあふれるようになるからです。13このわざを証拠として、彼らは、あなたがたがキリストの福音の告白に対して従順であり、彼らに、またすべての人々に惜しみなく与えていることを知って、神をあがめることでしょう。14また彼らは、あなたがたのために祈るとき、あなたがたに与えられた絶大な神の恵みのゆえに、あなたがたを慕うようになるのです。15ことばに表わせないほどの賜物のゆえに、神に感謝します。
【ポイント】
①パウロの責任
パウロが集めようとしている募金の目的については、①エルサレム教会の困窮に対する援助、②エルサレム教会と各地の異邦人教会の関係を深めることにありました。エルサレムの教会と異邦人教会が必ずしも良い関係ではなかったこと、特に、かつてユダヤ教の社会の中に生きていたユダヤ人クリスチャンにとっては、異邦人クリスチャンを受け入れることに抵抗を覚える人たちがたくさんいました。例えば、使徒の働き11章にはこのようにあります。
「1さて、使徒たちやユダヤにいる兄弟たちは、異邦人たちも神のみことばを受け入れた、ということを耳にした。2そこで、ペテロがエルサレムに上ったとき、割礼を受けた者たちは、彼を非難して、
3『あなたは割礼のない人々のところに行って、彼らといっしょに食事をした』と言った。
また、ガラテヤ2章にもこのように記されています。「11ところが、ケパがアンテオケに来たとき、彼に非難すべきことがあったので、私は面と向かって抗議しました。12なぜなら、彼は、ある人々がヤコブのところから来る前は異邦人といっしょに食事をしていたのに、その人々が来ると、割礼派の人々を恐れて、だんだんと異邦人から身を引き、離れて行ったからです。13そして、ほかのユダヤ人たちも、彼といっしょに本心を偽った行動をとり、バルナバまでもその偽りの行動に引き込まれてしまいました。」
ですから、異邦人伝道を使命として与えられていたパウロは、異邦人の救いもキリストの御心であることを、ユダヤ人クリスチャンたちに示し続ける責任が与えられていたのです。ですから、この募金の働きについてパウロは「このわざを証拠として、彼らは、あなたがたがキリストの福音の告白に対して従順であり、彼らに、またすべての人々に惜しみなく与えていることを知って、神をあがめることでしょう。」と告白しているのです。
ですから、パウロはこの募金の働きを途中で諦めるわけにはいかなかったのです。異邦人教会の従順さ、健全さ、そしてパウロ自身の働きの実りを、この働きを通して目に見える形で証明する絶好の機会だったからです。反対に、この計画が中途半端な形になってしまったとしたら、ユダヤ人教会と異邦人教会の信頼関係を損ねるようなことにもなりかねないと考えていたのではないでしょうか。
パウロの責任は「異邦人伝道」というような単純なものではなかったのです。「異邦人伝道」さえしっかりやっていれば、自分の責任を全うしているなどという狭い見方はしていなかったことが分かるのです。
②パウロの選択
パウロはキリストから直接使命を受けていましたし、その働きを通して形成された異邦人教会も、ユダヤの教会に使徒たちやキリストの兄弟ヤコブなどの重要な人物がいたからといって、彼らの言うことを守る必要はなかったでしょう。ユダヤ人教会の主要メンバーがなんと言おうと、自分たちの使命を全うしても良かったはずです。しかし、パウロはそのような方法を選択しませんでした。ユダヤ人教会と新しくできていく異邦人教会の両方が祝福を受けることができる道を選んでいることが、この募金の働きから分かるのです。そのパウロの思いが、今日の箇所から溢れ出ているのを、私たちの誰でもが気がつくのではないでしょうか。
【祈り】
《2コリント1章》
24私(パウロ)たちは、あなたがたの信仰を支配しようとする者ではなく、あなたがたの喜びのために働く協力者です。あなたがたは、信仰に堅く立っているからです。
アーメン
ライフチャーチ牧師 大谷 信道