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2020年5月26日(火)
テトスへの手紙 1:1-4 1神のしもべ、また、イエス・キリストの使徒パウロ――私は、神に選ばれた人々の信仰と、敬虔にふさわしい真理の知識とのために使徒とされたのです。2それは、偽ることのない神が、永遠の昔から約束してくださった永遠のいのちの望みに基づくことです。3神は、ご自分の定められた時に、このみことばを宣教によって明らかにされました。私は、この宣教を私たちの救い主なる神の命令によって、ゆだねられたのです――このパウロから、4同じ信仰による真実のわが子テトスへ。父なる神および私たちの救い主なるキリスト・イエスから、恵みと平安がありますように。
【ポイント】 ①パウロの最大の関心事を共有する ガラテヤ人への手紙2章3節の「しかし、私といっしょにいたテトスでさえ、ギリシヤ人であったのに、割礼を強いられませんでした。」という記述から、テトスはユダヤ人ではなくギリシャ人であったことが分かります。また、エルサレム会議へ同行(使徒15:2)、コリント教会への派遣(2コリ7:6-7)などの個所から、テモテと共にパウロからの信頼を受け、チームとして伝道・教会形成の働きに携わっていたことが分かります。
ちなみに、この手紙は、テモテへの第一の手紙と第二の手紙の間に書かれたと考えられています。第二テモテを学んでいるときには触れませんでしたが、第二テモテはパウロの最晩年の手紙であり、テモテへの手紙は最後から2番目の手紙(現存する中で)ということになります。内容的には第一テモテと似ており、テモテが派遣されているクレテの教会(1:5)でも、エペソの教会と同じような問題が起きていたことが推察できます。
繰り返し学んできましたが、テモテ、テトスへの手紙を見ると、最晩年(西暦60年代後半)のパウロの最大の関心事は、最も古いとされるガラテヤ人への手紙が書かれた西暦50年代前後と大きく変わらないことが分かります。それは、「キリストの福音を正しく教えること」と「教会の一致」です。この両者は決して切り離すことができません。福音を正しく聞き、福音に生きる人が集まることろには、キリストの愛と恵が実践され、教会の一致という実を結結ぶからです。一方、教会の一致が実現していないとすれば、その根本原因はキリストの福音が正しく理解され、実践されていないことが分かるからです。パウロがテモテ、テトスに託したのは、この両方の働きであることは手紙を読めば明らかですね。
先に述べたように、テトスへの手紙はテモテへの手紙の内容と重複する部分が多いです。しかし、重複しているということは、扱われている内容が、どの時代、どの地域の教会でも起きうる、ある意味普遍的な問題であることを知ることができます。つまり「他人事ではない」ということです。続けて、パウロの認識していた諸教会の問題を、自分たちの問題として共有し、パウロの感じていた危機感を共有していきましょう!
ライフチャーチ 大谷 信道